雨のシンフォニー

雨が降り続く朝、私は人通りの少ない路地裏を歩いていました。
私の目の前を一人の女性が同じ方向に向かって歩いており、よく見るとその人はピアノが上手いと噂で聞いた人でした。
その女性は、水たまりを避けながら軽やかにステップを踏むように歩いており、雨音と一緒にその人が口ずさむ曲が聞こえてくる気がしました。

 


※スマートフォンの場合は、横向きの画面をお勧めします。
For smartphones, please view in landscape orientation. 

境界線Ⅰ・Ⅱ
BoundaryⅠ・Ⅱ

This work shows the experience in the process of the obscure concept becoming reality by drawing what’s beyond the horizon over water.  Its process and the inspiration are in my blog post, “about the current work “boundary”.  Feel free to have a look.

水平線のさらに先にあるものを描き出すことで、漠然とした概念でしかなかったことが、実感として湧きあがった感覚を表現したいと思いました。
この作品を制作するに至ったキッカケを、ブログ《現在制作中の作品(境界線)について』にあげています。
ご覧いただければ幸いです。

現在制作中の作品「境界線」について About the current work, “the boundary”

 

雨の音

『冬の冷たい雨。木々の枝を、路上を、そしてコートまでも濡らすそれは、心の中にまで浸み込む。』

色の重なりで寒さを、透明の重なりで影を表現することを試みました。
影はモノとして存在するのかしないのかと自問しつつ、1/fの揺らぎを視覚で感じる方法について思い巡らせながら描きました。

“Cold of rain in winter drops onto tree branches, to the ground, and to my coat as if it soaks into my heart.”

Overlapping colors after colors for the expression of coldness, and overlapping transparency for shadows, asking to myself does shadow exist as a thing or phenomenon.  Or is it possible to “see” 1/f.  Wandering around my thoughts while painting.

※この絵をルサロン2023に出品します。ご高覧いただければ幸いです。

会期:2023年2月14日~2月19日

会場:Grand Palais Ephémère(グランパレ・エフェメール展示場)Av. Pierre Loti, 75007 Paris

 

雨煙る

雨にけむる工事現場の敷き詰められた鉄板に、目が釘付けになりました。
型ちは歪み、錆びに覆われ、ザラザラとしているのに美しく魅力的なのです。
写り込んだ影が揺らめいて鈍い光を放ち、霞んだ空の色と重なり合って、鉄の固さも重さも手放したかのようです。

醸し出された寂しげで怪しげな、このいい知れない寂寥感を自分のものにしたいと思いました。

Mizzling rain, the sheet of metal paved at the construction site took my breath away.

Metal has warped, rusted, and roughed yet is beautiful and alluring.  Reflected shadow sways and light illuminates the metal with blunt.  Its colour run into the hazy sky as if its weight and the hardness fades away.

Those unwritten vague and lonesome, I crave them to be part of mine.

 

白の空間

生活の極身近、毎日何度も行く場所でありながら、特殊・特別な空間として存在する洗面所を題材とし、この白い空間を支配する親密な清潔感の有り様を追求した作品です。

日常に溢れている美しさや、鏡から垣間見えるミステリアスな感覚を表現しました。

The White Space

The bathroom is a familiar space in our daily life. But it is so special that I was inspired to create a cozy,

pure and clean atmosphere in a canvas.
I hope you enjoy the refined beauty filling “The White Space” and the mysterious feeling in mirrors.