東京ステーションギャラリーに行ってきました

つい先日、「前にさぁ、くすっと笑える絵画が描きたいと言っていたけど、今でもそうなの?」と息子に言われ、そんな事はすっかり忘れてしまっていたのですが、そういえばそうだったなと思い返してみました。

私は割とシュールな笑いが好きで、ツボにハマって笑いが止まらなくなることがよくあり、笑いの沸点が低いとか、笑いのツボが分からないと言われます。

私自身もついつい笑いがとれることを言いたくなってしまう傾向にありますが、ボキャブラリーが少ないのと言葉のチョイスがおかしいのでなかなかうまくいきません。そんなことを意図せずに表現できた時に、クスクス笑えることになったりします。
絵画表現も同じで、笑いを狙うとつまらないものになりがちです。

くすっと笑える作品は今でも好きですが、笑えることに重きを置かなくなったのは、絵の本質ではないということに気付いたからかもしれません。

今は「明るい寂しさ」を表現したいと思い制作しています。でもこれも本質ではないのかもしれません。「明るい寂しさ」は、私の心の中にずっと根ざしているのもので、多分意図せずともそうなってしまう気がします。もしかすると他人から見れば暗いのかもしれませんが、私は明るいと信じています。

昨日、東京ステーションギャラリーで開催中の、藤田龍児氏の作品を見てきました。どの絵も一つ残らずずーーーっと見ていたいと思ったというのが私の感想です。

私が思うくすっと笑いや、明るい寂しさや、表現の本質についての哲学的なことや、あれやこれや内包しているこんな作品を手元に置きたいけどそれは困難なので、早く帰って制作して、こんな風にジワジワと心に沁みる絵が描けるようにならなくちゃと思いました。